
テラス・バルコニー・ウッドデッキの違い。暮らしてみて分かった選び方
家づくりの打ち合わせで、外に出られるスペースの話になったとき、私は正直よく分かっていませんでした。テラスもバルコニーもウッドデッキも、なんとなく「外にある気持ちのいい場所」くらいの認識で。
設計の方に「どれにしますか」と聞かれて、ぽかんとしてしまったのを覚えています。違いが分かっていないから、どれを選ぶかも決められない。
実際に建てて数年暮らしてみると、この三つはまったく別物でした。できることも、手間のかかり方も、子どもとの使い方も違います。ここでは、そのあたりを整理してみますね。
まず、三つの違いをざっくり分けると
難しく考えなくて大丈夫です。違いは「どこにあるか」と「何でできているか」、この二つでほぼ説明がつきます。
- テラス…1階にあって、地面の上に作られた外のスペース
- バルコニー…2階以上にあって、建物から張り出している外のスペース
- ウッドデッキ…1階にあって、床を張って室内の高さに合わせた外のスペース
テラスとウッドデッキはどちらも1階なので、ここがいちばん混ざりやすいところだと思います。私も最初、同じものだと思っていました。
テラスとウッドデッキは「高さ」が違う
テラスは、地面の上にタイルやコンクリートで作ります。なので、部屋から出るときに一段下がります。サンダルを履いて降りる感じです。
ウッドデッキは、床を組んで室内とだいたい同じ高さにそろえます。だから、掃き出し窓を開けるとそのまま続いていく。段差がないぶん、部屋が外まで広がったように見えます。
この「段差があるかないか」が、暮らしてみると想像以上に効いてきました。詳しくは後で書きますね。
バルコニーは「下に部屋がある」
バルコニーは2階以上にあるので、その下には必ず部屋か外があります。つまり、雨をきちんと処理しないと、下に影響が出るということ。
テラスやウッドデッキは地面の上なので、水が落ちても地面に染みていくだけです。バルコニーはそうはいきません。ここが、作るときの手間の差につながってきます。
それぞれ、暮らすとどうだったか
カタログを見ても分からなかったのは、毎日の使い方の部分でした。実際に使ってみて感じたことを書きます。
テラス:気楽だけど、履き替えが必要
うちは子どもが小さいので、テラスは水遊びやプールを出す場所として大活躍でした。多少汚しても、水を流して掃除できる。タイルやコンクリートの気楽さです。
ただ、毎回サンダルを履くのが地味に面倒でした。洗濯物をちょっと取り込むだけでも、履いて、降りて、また上がって。この「ちょっと」の積み重ねが、思ったより効いてきます。
あと、夏は表面がかなり熱くなります。子どもが裸足で飛び出して「熱い!」と戻ってくる、というのが毎年の恒例行事になりました。
ウッドデッキ:部屋が広がるけれど、手入れがいる
ウッドデッキの良さは、やっぱり段差がないことです。窓を開けたらそのまま出られる。洗濯物を干すにも、椅子を出してお茶を飲むにも、動きが途切れません。
うちの場合、リビングからそのまま続いて見えるので、実際の広さ以上に部屋が広く感じます。来客があったときに子どもがデッキで遊んでいても、中から見えているので安心、というのもありました。
一方で、手入れは必要です。木でできているものは、何年かごとに塗り直しを考えることになります。樹脂のものだと塗り直しは要りませんが、夏に熱を持ちやすいという話も聞きました。どちらも一長一短だと思います。
それと、下が地面なので、落ち葉やゴミが隙間から下に落ちていきます。掃除しやすい高さにしておくかどうかは、作るときに相談しておけばよかったなと思った部分です。
バルコニー:便利だけど、使い方が限られる
2階に洗濯物を干す動線にしたので、バルコニーは毎日使っています。洗濯機のある場所と近ければ、これはかなり楽です。
ただ、「くつろぐ場所」としてはあまり使えていません。周りから見えやすいのと、物干しが出ているので、落ち着いて座るという雰囲気にならないんですね。そこを両立させたいなら、最初から広さと目隠しを考えておく必要がありそうです。
排水の掃除も、忘れると困ることの一つでした。落ち葉や砂がたまって水が流れなくなると、下の部屋に関わってきます。年に何回か見る、と決めておくのがよさそうです。
どれを選ぶか、迷ったときの考え方
三つのうちどれが優れている、という話ではありませんでした。暮らし方のほうから決めるのが近道だと思います。
こんな暮らしならテラス
- 水を使う遊びや、汚れる作業をしたい
- 手入れの手間をできるだけ減らしたい
- 庭とつなげて使いたい
こんな暮らしならウッドデッキ
- 部屋の続きとして、日常的に出入りしたい
- リビングを広く見せたい
- 何年かごとの手入れを許容できる
こんな暮らしならバルコニー
- 洗濯の動線を2階にまとめたい
- 1階に外のスペースを取る余裕がない
- 通りからの視線を避けたい
もちろん、組み合わせることもできます。うちも1階と2階の両方にありますが、役割が違うので、どちらも使い道があります。
私の失敗談:外だけで考えてしまった
ここが、いちばん正直に書いておきたいところです。
私は打ち合わせのとき、デッキの形と広さばかり見ていました。どんな床材にするか、何畳分にするか。そこは熱心に考えたんです。
でも、抜けていたのが「そこまでどうやって行くか」と「そこから先がどうなっているか」でした。デッキから庭に降りる段差をつけ忘れて、結局あとから踏み台を置くことに。日よけも、夏になってから「必要だった」と気づきました。
外のスペースって、そこだけで完結しないんですよね。庭の作り方、駐車場との位置関係、フェンスをどこまで立てるか。そういう家の外まわり全体の中で決まってくる部分が大きいんだと、住んでから分かりました。
家の外まわりをどう計画していくかという視点を先に持っておくと、デッキやテラスの形も、もっと納得して決められたと思います。
これから家づくりをする人へ
外のスペースは、つい「あったらいいな」で決めてしまいがちです。私もそうでした。でも、使うかどうかを分けるのは広さや素材より、出入りのしやすさと、まわりとのつながりだったように思います。
打ち合わせのときに、ひとつだけ聞いてみてほしいことがあります。「ここに出るのは、一日のどの場面ですか」。洗濯のとき、朝ごはんのとき、子どもを遊ばせるとき。場面がはっきりすると、必要な高さも広さも自然と決まってきます。
そして、気になることが出てきたら、完成した家を見せてもらうのがいちばん早いです。写真では分からない段差や視線のことが、立ってみると分かります。迷っている段階で相談してみる、という選択肢もありますよ。