「とりあえず南向きにした」テラスで後悔した話

注文住宅でテラスやバルコニーを設ける際、日当たりの良さを優先して南向きを選ぶケースは多いようです。しかし「南向きにしたら夏の直射日光が強すぎて、昼間はほとんど使えなくなった」という声は少なくありません。

日当たりが良いことと、快適に過ごせることは別の問題です。近年の夏の気温上昇を考えると、南向きのテラスは日差し対策をセットで考えないと、夏場の使用頻度が極端に下がるという結果になりやすいようです。向き・日照・風通し・プライバシー・床材を組み合わせて検討することが、使えるテラスをつくる出発点になります。

向きと日当たりの計画

南向き・東向き・西向きそれぞれの実態

テラス・バルコニーの向きについて、実際に住んでいる方の声を聞くと、向きごとに異なる問題と満足点があるようです。

南向きは採光・洗濯物の乾きやすさという点で評価が高い一方、夏の暑さへの対策が必要というケースが多いようです。「南向きのテラスに庇を設けたことで、夏の直射日光を遮りながら冬の日差しは取り込めるようになった」という事例があります。庇の出幅を夏至・冬至の太陽角度から計算して設計した事例では、冷暖房負荷の軽減効果も感じられたという声があります。

東向きは午前中の日差しが入りやすく、夏の午後の西日を避けられるという点で評価する声があります。「朝のコーヒータイムをテラスで過ごすのが習慣になった」という事例もあります。西向きは夕方の西日が強くなるため、遮熱対策が必要になりやすいようです。

風通しの計画は向きだけで決まらない

テラス・バルコニーの風通しは、向きだけでなく周辺の建物・植栽・フェンスの配置によっても大きく変わります。「風通しを期待して設計したが、隣家の壁で風が遮られてしまった」という声もあります。

土地の特性・卓越風向(その地域で最も多い風の方向)・周辺環境を確認したうえで、テラスの向きと開口部の配置を決めることが、風通しの良いテラスを実現するうえで重要とされています。

プライバシー確保は設計段階で解決する

「外から丸見えだった」という後悔が多い

テラス・バルコニーでの後悔として多く聞かれるのが、プライバシーの問題です。「開放感を重視して設計したが、道路や隣家から室内やテラスが見えることに気づいて、結局常にフェンスで囲むことになった」という経験談があります。

プライバシーへの配慮なしにテラスを設けると、外からの視線が気になって使用頻度が下がるという問題が生じやすいようです。「目隠しフェンスを後からつけたが、設計段階から考えていなかったので見た目が後付け感になってしまった」という声もあります。

目隠しフェンスと植栽の使い分け

プライバシー対策として採用されることが多いのが、目隠しフェンスと植栽の2つです。どちらを選ぶかは、テラスのデザイン・メンテナンスの手間・視線を遮りたい方向によって変わるようです。

目隠しフェンスを採用した事例では「設置後すぐに効果が出る」という声がある一方、「素材と色を家全体のデザインに合わせることが難しかった」という経験談もあります。植栽を採用した事例では「自然な雰囲気でプライバシーを確保できた」という満足の声がある一方、「成長するまでに時間がかかり、当初は視線を十分に遮れなかった」という問題もあるようです。

「フェンスで外からの視線を遮りつつ、植栽で見た目を柔らかくした」という組み合わせを採用した事例では、機能とデザインを両立できたという評価が聞かれます。

水まわりの位置で使い勝手が変わる

蛇口の位置が「使えるかどうか」を決める

テラス・バルコニーに水栓を設けた方の声として多いのが、「位置が重要だった」という点です。「蛇口はあるが、洗濯物干しスペースから遠い位置にあって使いにくい」「BBQをするエリアと水栓が離れていて不便」という経験談があります。

テラスでの主な使い方を先に決めてから、その動作が発生する場所の近くに水栓を設置するという順番が、使いやすい水まわり計画の基本とされています。「洗濯物を干すエリアとBBQをするエリアの中間に水栓を設けたことで、どちらの用途にも対応できるようになった」という事例もあります。

排水とセットで計画しないと水はけが悪くなる

水栓の設置と合わせて、排水計画の重要性を指摘する声も多いようです。「水栓をつけたが排水口の位置が悪く、テラスに水が溜まりやすくなった」という問題が生じるケースがあります。水を使う場所・流れる方向・排水口の位置の3点をセットで設計しておくことが、清潔で使いやすいテラスを維持するうえで重要とされています。

床材の滑りにくさは安全性に直結する

水を使う場所だからこそ素材の選択が重要

テラス・バルコニーの床材で後悔しやすいのが、滑りやすさの問題です。「見た目で選んだタイルが濡れると滑りやすく、子どもが転んでしまった」という経験談があります。外で水を使う場所であるため、雨・水やり・洗い物など常に濡れる可能性があることを前提に素材を選ぶことが重要です。

滑り止め加工のあるタイル・表面に細かい凹凸のある樹脂ウッドデッキ・ノンスリップ加工の床材など、濡れた状態での摩擦係数を確認してから素材を決めることが、安全性を確保するうえで欠かせないとされています。「滑り止め加工付きのタイルにしたことで、雨の日でも安心して使えるようになった」という声もあります。

テラス・バルコニーの向き・プライバシー・水まわり・床材は、いずれも完成後の変更が難しい部分です。設計段階でこれらをセットに検討できる工務店に、使い方のイメージを具体的に伝えながら相談することをおすすめします。

By LL